よみかきをしよう。

たくさんよんだりかいたりしようとおもいます。

「ルールを明文化することが"期待"と"期待に対するフィードバック"の正常化につながり、チームの強みがより発揮できる環境になる」と信じている

このエントリは Schoo Advent Calendar 2017 の6日目です。
現在、2017/12/06 42:30です。前日に書き始めたら、思いの他苦戦した...🙈

校正する時間もないので、一通り描き切ったから雑に公開する。

この間、会社の朝会でこういう趣旨の話をした。

弊社では、毎営業日の始業時間にオフィスにいるメンバー全員で"朝会"を実施している。週の初日だけはコンテンツが変わるが、基本的には常勤メンバー持ち回りで日直(司会)を担当し、共有事項を尋ねたあとにテーマに沿った簡単なスピーチを行っている。
表題の話をしたときのテーマは「自分の強みが表れた、と感じたエピソード」というものだった。

前提を補足すると、弊社の常勤メンバーは、入社初日にストレングス・ファインダーと呼ばれるテストを受ける。詳細は以下のエントリなどに任せるが、要は"その人が持っていると思われる強み(資質)をランキング化する"診断テストである。
苦手なことを知って、才能を引き出す組織に変える。ストレングスファインダーを全社導入してみた - コルクのブログ

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

割と最近だが、改訂版も発売された。

各人がストレングス・ファインダーを受けた結果は社内に公開されており、各人を理解し、適切にコミュニケーションを図るためのツールとして利用することを推奨している。

つまり、このときのスピーチのテーマには、改めて会社のメンバー各位に自分の強み(の一部)を理解し、お互いに尊重したコミュニケーションがとれるようにする、といった目的が伴っていた。
まあ、結局は軽く脱線した話をしてしまい、きちんとオチをつけられずに話し終わってしまったのだが。

それでも、このときに話したスピーチに「いい話だった」という感想をいただいたりしたので、話したことを正しく伝えるために、説明を補足しつつ改めて書き残してみようと思う。
おそらく、話が脱線するであろうことに気づかないほど"自分のなかでも特に意識しているトピック"なのだろうし、改めて言語化することは自分にも意義がある。

"個別化"するために、"ルールの明文化"を推進する

ストレングス・ファインダーによって診断された、ぼくの資質第1位は"個別化"である。

個別化

「個別化」という資質により、あなたはひとりひとりが持つユニークな個性に興味を惹かれます。あなたはひとりひとりの特徴や個性を覆い隠したくないので、人を一般化したり、あるいは類型化することに我慢できません。むしろ、個人個人の違いに注目します。あなたは本能的にそれぞれの人の性格、動機、考え方、関係の築き方を観察しています。あなたはそれぞれの人生における、その人にしかない物語を理解します。この資質によって、あなたは、友達にぴったりの誕生日プレゼントを選んだり、ある人は人前で誉められることを好み、別の人はそれを嫌うことを分かったり、一から十まで説明して欲しい人と、一を示せば十を知る人とに合わせて、教え方を調整できたりするのです。あなたはほかの人の強みをとても鋭く観察する人なので、ひとりひとりの最もよいところを引き出すことができます。この個別化という資質は、あなたが生産性の高いチームを作ることにも役立ちます。完璧なチームを作るに当たり、チームの「組織構造」や「作業手順」に着目する人もいますが、あなたは優秀なチーム作りの秘訣は、各自が得意なことを充分に発揮できるような、強みに基づく配役である、ということを本能的に知っています。

この資質を意識して、ぼくが最近強く意識し始めていることは"ルールの明文化"である。
なぜなら、"ルールの明文化"を推し進めることが、自分を含めたチームのメンバーがより強みを発揮できる環境をつくることにつながっていると信じているからだ。

チーム / 組織には数多くの"独自のルール"が存在する

ぼくは現在、システムを開発するチームに属している。過去にも似たようなチームにいくつか属したことがある。システム開発するチームに限った話ではないが、そういったチームには必ずと言っていいほど"独自のルール"が存在する。そのルールはチーム内で決められたものもあれば、チームが属する会社(組織)によって決められたものもある。
もっと言うと、世の中には数多くのルールが存在し、ぼくらはそのルールを無意識に遵守していたり、はたまた意識的にルールを守る行動をしてたりする。...まあ、ちょっと拡げ過ぎたので、チームの話に戻す。

"独自のルール"というのは、たとえば以下のようなものだ。

  • 営業日の10:30からデイリースクラムを開催する
  • 自分の予定(ミーティング、外出etc.)はGoogleカレンダーに登録しておき、メンバーに見えるようにしておく

ここで挙げただけではなく、些細なことから重要なことまで大量のルールが存在するはずだ。

ルールは"(自分を含めた)チームのメンバーに期待すること"でもある

何故、チームを運用する際にルールを定義するのか。それはチームがより正しく機能するためだ。

"毎日決まった時間にデイリースクラムを開催することの必要性"は、スクラム開発という手法を知っている人なら当然わかるはずだ。
同じ周期で状況を確認することでメンバー各自の進捗状況も測れるし、定期的に進捗を確認することでやるべきことを再確認できる。困ったこと(問題)が発生した場合は、解決するための段取りを図ることもできる。あらかじめ決めたタイムボックス内でスプリントを完了させるために、デイリースクラムはチームが正しく機能しているかを測る機能を果たしている。

そんな一方で、ルールは"(自分を含めた)チームのメンバーがどのように行動するのか"を予測することにも役立っている。

たとえば、自分の予定をGoogleカレンダーに登録しておくことで、他のメンバーにも自分の予定がわかるようになる。そうすると、「Aさんに質問したい」と思った時にAさんのカレンダーを見ればいつ質問できそうなのかがわかるし、自分がオフィスを不在にしていた場合には"3時のおやつ"を取っておいてもらえるかもしれない。
こういった気の利いたコミュニケーションを実現する上で、メンバーは知らないうちに相手の行動を予測 / 把握している。これが"期待"である。

そして、人間とは都合のよいもので、こうやって気の利いたコミュニケーションができた経験があると、いろんな場面でそれを適用したくなる。そこで発生するのが"期待"と"期待に対するフィードバック"のズレ(異常)である。

"期待"と"期待に対するフィードバック"がズレた場合、人はどう思うのか

では、そんなズレが発生した場合、人はどう思うのだろうか。とあるエッセイを引用してみる。

私たちは、自分の価値観に基づいていろいろな期待を他者にします。でもそれは、あくまでも自分の価値観なので、往往にして期待通りの結果は帰ってこないもの。このことを、きちんと踏まえておきたいのだけど、それがなかなかできないのが私たち人間です。
「あの人が悪いから!」「社会が悪いから!」とやっていても、悩みは解消しないどころか、責める気持ちが募ってかえって悪循環に。この「期待と現実のズレ」のようなものが、不満と我慢を重ねる自分を作り出してしまう。「〜〜してくれない」「〜〜させてくれない」という言葉に表されるように。

新・ココロの片づけ術 自在力 - やましたひでこ - Google ブックス

このエッセイでは、"自身の価値観に基づいた期待"と"他者や社会によって構成された現実"とのズレを対比して語っている。そして、そのズレによって発生している感情は、ここまで語ってきたことと同様だと思う。
あるメンバーがルールを破った行動をしていると、「なんでルールを守らないんだ」という不満が生まれる。気軽に言い合える仲なら直接指摘できるかもしれないが、各々が属している会社の部署なんかで置き換えて考えてみるとどうだろう。そういう不満を言えないケースは、表面化していないだけ*1で実は大量に存在するのではないだろうか。

チームの透明性を向上させ、自律的な活動を促すことが"個別化"を促進する]

さて、この話は元々、"個別化"という特性を持ったぼくが、"自分を含めたチームのメンバーがより強みを発揮できる環境"を実現するために"独自ルールの明文化"を推進している、という趣旨である。
というわけで、その趣旨に立ち返る。"独自ルールの明文化"をすることで、どう"個別化"につながるのか。

そのヒントは、チーム(組織)の"透明性"というキーワードだ。"透明性"の説明としては、以下を引用する。

結論から言えば、自分の認識よりも具体性があり、目的まで内在された定義でした。

透明性とは、正しい情報が1カ所に整理してあり、次の行動が誘発されること

もちろんこれはScrum文脈で出てきた定義なわけですが「人の行動こそ予想できない」という前提に立ち、「チームが現状を把握すること」や「自律的なチーム」を実現することを考えるとまさにしっくりくる表現だなと。

Scrumにおける透明性 - Septeni Engineer's Blog

ぼくは、大量のルールでガチガチに縛られたチームに属したくはないし、そんなチームを運営したくはない。だから、ルールはできるだけ最低限に抑えたいと思っている。
だからこそ、その最低限のルールを明文化して透明性を向上させることで、逆にそれ以外のことは自由に考えてよい、と伝えたいのだ。"ルールにないことは自ら考えて、他のメンバーと協調して行動してほしい"という期待を、ぼくはチームメンバーに求めたい。そんな活動が増えることで、多様な特性を持つチームメンバーが、それぞれの強みをより発揮しやすいチームになっていくはずだ。

以上の思想を実現するために、まずは最低限のルールを可視化して、"期待"の認識のズレを埋めていこうと思っている。

おわりに

先日、Product Manager Conference 2017に参加してきて、仲山進也さんのトークに強い感銘を受けた。
webexpert-draft.jp

強い感銘を受けた後に、「いま"チーム"と呼んでいる組織が、このトークで述べられている意味での"チーム"になり切れてないのではないか」と思ったのが、このような活動をし始めたきっかけである。

いま属しているチームに感じている課題はたくさんあるが、「このチームにあった方法は何なのか?」「同じチームのあの人が素敵に仕事ができるようにするには、どうしたらよいのか?」といった問いを軸に、いま属しているチームのことを考えていきたいと思う。

https://www.instagram.com/p/QwN4JYmVCq/
この呼び鈴も、期待通りに使われなかったことによって、こういった力強いルールが定められたのだ(と思う)

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*1:当然、すでに察している人もいるかもしれないが