UXのことを“おもてなし”と言うと、UX界隈で訂正されます。
一部では既によく言われてて今更感が漂ってますが、覚え書きとして。
元々、「UX(User Experience, ユーザーエクスペリエンス)は“おもてなし”ではない」というおはなしは黒須正明先生が仰ってたことだったと思うんですけど、ググってもリンク切れしてたりで言質的なコンテンツはインターネット上には見当たらなかったです...(リンクの見出しにはなってたけど)
ググってる最中に、3年ほど前に「UXなんて曖昧な言葉を使うのは止めよう」なんてエントリーが見つかったりもしました。これはまたちょっと違うおはなしですけど、hcdvalueさんが 翻訳されたUX白書(日本語訳版)に目を通すと、UXって言葉はホントに多角的な視点が伴った言葉なんだな、ってことが解ったりもします。
他にそのへんのことを言及しているコンテンツを探してみて、たぶん@fumyaさんが書いてたのがよいかんじだなあ、と思って引用させていただきます。
UX ≠ おもてなし
まず、UXは、「おもてなし」ではないです。これはもう数年前に議論が終わったお話です。
UX とユーザビリティ のお話 【基礎編】 : LINE Corporation ディレクターブログ良いUXを生み出す為の、UXデザインの考え方の一つとして、「おもてなし」は存在するかもしれませんが、UX単体ではあくまでも、人それぞれの主観そのものを指す言葉ですので、「UX = おもてなし」はちょっとおかしいんですね。(UXの主体は相手側ですが、おもてなしの主体はこちら側というお話。そもそも根本的に違うのです。)
うん、UX単体ではあくまでも、人それぞれの主観そのものを指す言葉という認識は、ぼくも思ってます。
この場合のUX*1は、あくまでデザインの対象として捉えられるべき、なはず。
この認識の上で“UX”と“おもてなし”を対比させるなら、
- “UX”は(ユーザーの主観なので)ユーザーが主語。
- “おもてなし”は(誰かがユーザーをもてなすので)おもてなしを提供する側が主語。
って言えそう。主語(というか主体?)が違う。UXデザインなら一応主語が同じになるかな。
「良いUXを生み出す為の、UXデザインの考え方の一つ」として“おもてなし”を捉えるのも解るんですけど、
ただ、このエントリーを読むと、“おもてなし”って表現にとらわれすぎちゃよくなさそうですね...
おもてなしとポトラッチ* - ダイミテイ
*1:個人的には、UXという言葉はこの場合のような定義で語られるべきで、UXのことを考える分野のことをUXデザインと呼称されるべきだと思うんですけど...:(