トークイベント「デザイン思考"以後"と、クリエイティビティの行方」
なんとなく「"デザイン"というワードだけに閉じず*1に、数多な可能性を感じられるイベントになるのでは?」と思って、速攻でチケット確保して参加してきた。
参加している方はもちろん"デザイナー"とラベルが付く方が多かったが、「このなかで"自分はデザイナーではない"という方はどれくらいいらっしゃいますか?」という問いに対して半数近くの方は挙手するような構成だった。
そんな参加者構成にも起因すると思うが、話題は多岐にわたっていて面白かった。それでいて、スピーカーとしてご登壇された御三方のお話は、それぞれの分野における非常に"深い"内容で、さまざまな示唆に富んでいた。"デザイン"という思想が、デザインを生業としている方々以外にも波及していて、よさを感じる。
個人的な感想は以下。いくら手法が抽象化されても本質は変わんないし、その本質を愚直にやらなあかんな、いう印象。
???「何事を問うにも、先ず"問う対象を理解する"ことが大事なんじゃ」
— 🌹 (@takoba_) 2017年2月24日
理解がないと正しい問いなんてできないやんね 理解するフェーズを疎かにしちゃいけない
— 🌹 (@takoba_) 2017年2月24日
ちなみに、最近は 自分が携わっているプロダクト において"もっと議論をして、各々に多様な答えを持って帰ってもらう場"にしようとしていて、いろいろトライしている。こういうイベントは"原体験"としてやっぱりよいなあ、としみじみ思った次第です。
考えたり議論するための最高の場をつくっていきたい感
— 🌹 (@takoba_) 2017年2月24日
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あと、富田先生(東海大学デザイン学部)とその学生の方々で行ってたリアルタイム・ドキュメンテーションは見事だった。
以下のツールを使っていたけど、なんというか"練度"が高い。それを体感できたことだけでも価値があった感がある。
RealtimeBoard | Virtual Whiteboard & Remote Collaboration tool
常葉大学未来デザイン研究会体験型展示会 出張ラボ「プロジェクトを報告します」にいってきた
産官案件にサービスデザインのプロセスを持ち込んだものや、卒業制作として自ら問題視した事柄の解決をサービスプロトタイピングで図ったもの、その他自主活動として実施したフィールドワークの報告など、各種プロジェクトのポスター発表が会場全体で行われてた。
配布されてた冊子にも表記されてた通り"クリティカルにプロトタイピング"するためのプロセスを体現している。特に"リサーチ(をする際の枠組みのつくりかた)"と"そのリサーチ結果の可視化&分析"が見事。面白そうな経験をしていて、羨ましささえ覚える。
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会場でコーヒー飲みつつ数名で雑談してて、「年取っても完璧になんて出来ないし、むしろ出来てないと思うことが増える(意訳)」みたいなこと話してて。
これ聞いてて、マーク・ザッカーバーグが掲げたことで有名な "Done is better then perfect." って標語はまあ真理だよな、と改めて思ってた。
完璧にしなくても要件満たせることが多い。プロトタイプはそういう意図でつくるし。
ひとりで完璧に振る舞う必要はなくて、困ったら助けを求めればよい。そのために組織化しているし。
失敗したって死にはしない。その仮説では効果が出なかったことを証明できた、という成果が出たわけだし。
まあ自戒も込めてやな( ˘ω˘)
Fwd: UXデザイナーが直面する、体や心を壊す状況について
(過去に雑に書いたやつ、雑に公開しておく。)
takoba [3:09 PM]
クオリティとスピード感はトレードオフだし、そのクオリティを担保するための作業量には上限があるはず。その状況下で都度「このチームでいま何をすべきか」を取捨選択して進まなくてはいけない。
全部自分でやろうとするならシーケンシャルになるだけだし、チームでやるなら適切に分担しつつやるだけだし。どっちにしろ優先順位つけなくちゃ動けないし、その辺の段取りをそういう視点を持った人(これをUXデザイナーとかっていうのかな?)が取り扱うんだろうなあ (edited)
takoba [3:15 PM]
UIとかUXとか言われてるけど、結局は「よりよいプロダクトをつくるためには、気にしなくちゃいけない部分って実はめっちゃあるんだよね」ってのがベースにあって、その中にUXとかUIとかって概念が転がってる。 (edited)[3:15]
全部を一気に網羅するのなんてツラいだけだし、だからLEAN UXとかは"ひとつの仮説を検証するサイクル"に終始して説明してたりする。[3:17]
そのくらいの粒度から取り組んでいかないと草の根活動は厳しい。何度か仮説立てて検証してみたらヒットして、そういう経験(ノウハウ)を積むことで「これくらいやれば当たるよね」みたいなところを掘り当てないといけない。 (edited)[3:18]
草の根活動って、要は投資をもらうためのひとつのプロセスだ。大きいことをするためには、小さく成功させてそれがスケールする可能性を示してみせることが大切だ。スタートアップ感。[3:18]
まあ、力を割くポイントがちょっとよろしくない印象を受ける。ちゃんとプロセスを噛み砕いて、どこに力を入れるべきかを整理しなくちゃいけない。これは自戒でもあるな...
第19回情報デザインフォーラムにいってきた
デンマークへ1年間サバティカルしてらっしゃった上平先生のお話を聴きたかったのと、「新しいデザイン教育」と題された内容が気になったので参加してきた。
今回の情報デザインフォーラム、"DesignとBizをどう繋ぐか"的な話題が多くてとても面白い回だな...
— 🙋 (@takoba_) 2016年5月8日
上記みたいなことを書いたけど、"そういう話題が多かった"というより"DesignしたものをBizとして世に出すためのヒントが多かった"感覚。
日本とデンマークとの"リスクテイキング"の違い
コペンハーゲンのスタートアップ「GOBOAT」。太陽光発電した電気を動力にするボードを貸し出すサービス。船上で呑んだりするらしいけど、低速とはいえ酔っ払いが運転するらしい...w pic.twitter.com/5nfh6eUqQo
— 🙋 (@takoba_) 2016年5月8日
コペンハーゲンは港町であり、運河も発達している。そのため、水上バスが主な交通機関として数多く運営されている。
そんな街でレンタサイクルのように提供される、ライセンス要らずのレンタルボート。めっちゃたのしそう。
一方では「ライセンス要らずで本当に大丈夫なの...?」「お酒飲みながら運転?そんなことさせて大丈夫???」みたいな疑問も浮かんでくるよね?ってお話。
その一方で、太陽光を用いた"カーボンニュートラル"なモーダビリティとして捉えると、水路が多いコペンハーゲンにおいては、なるほど持続可能なソリューションだ、とも言える。
他にも廃棄物を利用したレストランなどが例に挙がってて、こちらも「衛生的に問題ないの?」みたいな疑問が浮かぶが、その一方で「食物が大量に廃棄されてしまう」問題に対するひとつのソリューションとも言える。
"CoDesignで実現されているアイディアは、持続性がありつつリスクも孕んでいる" そのリスクテイキングの仕方が社会とつながるヒントになってるなかな...
— 🙋 (@takoba_) 2016年5月8日
「このアイディア、こういう問題が孕んでるから止めたほうがいいんじゃない?」みたいなことって割とよくあると思うけど、その場合に そのアイディアが孕む問題を"どのように解消するか" を問うだけではなくて、 そのアイディアが孕む問題と"どう付き合っていくか" を問うこともできるんだなあ、と思った。
"参加型デザイン"という言葉のニュアンス
UCD/HCDはアメリカ発、Participatory Designはスカンジナビア発。"Design with People, not for User."
— 🙋 (@takoba_) 2016年5月8日
参加型デザイン(Participatory Design)がスカンジナビア半島発祥であることは聞いたことがあったけど、「元々は労働者の社会運動が起源である」みたいな文脈のお話ははじめて聴いた。
参加型デザインを簡単に解説すれば,デザイナーだけでデザインするのではなくて,実際の利用者をデザインプロセスに積極的に巻き込みながら進めていくアプローチのことで北欧で40年ほど前に始まった取り組みである.ちなみにベテラン研究者の方々曰く「本当の意味でのParticipatory Design(参加型デザイン)とは,スカンジナビアの社会民主主義のカルチャーによって成されたもので,我々のやっていることだけが正統派なのだ」と誇りをもって主張しているし,一方で若手は「元々は"自分たちの働く職場なのに,その職場の改革に参加出来ないのはおかしいだろう"という異議申し立ての労働運動から発するものだし,参加するのが当たり前でなかった時代に参加を希求した時の言葉であって,今となっては過去の遺産だよ」となんだか微妙な反応をすることも多い.実はデザインという概念も産業革命に対する異議申し立てから始まっている(という通説)と重ねて考えると興味深い.なお彼らも人々と共にデザインするアプローチ自体を諦めてしまったわけではなくて,当時とは時代背景も変化しているし,Participatory Designという言葉では反体制っぽいニュアンスが強すぎるということなんだろう.
参加型デザインという言葉について - Kamihira_log at 10636
"実際の利用者を〜"みたいな "co-design"的な形式は、英国発祥のインクルーシブデザイン(Inclusive Design)って考え方と近しいけど、こちらは高齢者を対象にしたデザインの中で生まれている。なるほど、面白い。
"意見を受け取ること"と"何を作るかを決めること"は分けなくてはいけない。まあそうか
— 🙋 (@takoba_) 2016年5月8日
利用者を巻き込むデザイン手法ではあるが、"利用者がデザインを決める"わけではない。
「デザイナーが利用者からの意見を取り入れ、デザイナーが決裁者に提案する」という構造を持っており、このあたりが語られているのは労働者運動をルーツとしている影響なんだろうな、と感じた。
その他よさそうなお話
「デンマークの人の倫理観にはキルケゴールが影響してるのでは...?」「日本では儒教が倫理の根底にあるように、デンマークではJante Lawが倫理の根底にある」ほう
— 🙋 (@takoba_) 2016年5月8日
"答えを教えずに(=自分で答えを見つけられるように)問いかける" 錦織圭のジュニア時代のコーチの話を思い出した
— 🙋 (@takoba_) 2016年5月8日
大本綾さんがクリエイティブリーダーシップについて解説してくださってるときに書いたやつだったかな。
「学び続けるには"感性(体験)"と"論理"を結びつけていくのが大事」めっちゃわかる
— 🙋 (@takoba_) 2016年5月8日
これは山崎先生がおっしゃってたけど、要するに"インプットとアウトプット"的なことですよね。
インプットするだけじゃダメだし、アウトプットの説得力って過去のインプットが繋がってる、みたいな。
「ものづくりに集中せよ!」
先日書いたエントリ に関連して。
CA卜部さんのこのエントリはいまでも心に鋭く刺さってる。
何度も読み返して、その都度己を振り返りたくなるエントリ。
http://ameblo.jp/urabehiroki/entry-12018161265.htmlameblo.jp
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